2024年8月3日(土)に、増進堂・受験研究社の大阪本社にて
『国語力を高めることば新辞典』で楽しむ「小学生・辞書引き学習サマーセミナー」を開催いたしました。
辞書とふせんを使って、子どもが言葉へ興味をもち自ら学ぶきっかけを効果的につくりだしていく「辞書引き学習法」。その開発者である深谷圭助先生の解説のもと、小学生・保護者が一緒に『国語力を高めることば新辞典』や『自由自在 理科/社会』を手に取って辞書引き学習にチャレンジしました。
いよいよセミナーがスタート。深谷先生は、まずは「ことば」について考えてみようと、手や腕、足に関わる呼び方に注目します。たとえば手には、手の平・手の甲や親指・人差し指・中指・薬指・小指などがありますが、薬指には「紅差し指」という呼び方もあって、女性がむかし口紅を塗るときにこの指を使っていたことが関係していることや、こうやって関連づけをしていくとよく覚えることができるという話を紹介しました。
そのほか「うわぐつ」と「うわばき」を例にして、地域によって呼び方が変わる話も。深谷先生の「どちらの呼び方を使っていますか?」との質問に、答えが分かれたご家族では意外な発見に驚きの声が出ました。
「ことば」に少し興味が出てきたところで、言葉が身につくとはどういうことかについて触れていきます。 深谷先生は、言葉が身につくというのは他の言葉を用いて言いかえることができるようになること、そして最初は簡単な言葉を他の言葉を使って説明してみることが大切だと伝えます。
実際にその感覚をつかんでいく練習をバナナやトマトでトライしていきます。深谷先生の「トマトはどんなもの?」の質問に、子どもたちは「赤い」、「黄色いときもある」、「丸い」、「野菜」、「酸っぱい」、「甘い」、...というように次々と発表して会場は大盛り上がり。
午後の会では、保護者の方に子どもたちが何の説明をしているのか当ててもらうクイズにも発展。一気にあたたかい和やかなムードが広がります。
そしてここから「辞書引き学習」の説明へ。みなさん、深谷先生の話に熱心に耳を傾けます。
ふせんに1、2、3、4、5...と番号をまず書いていきます。次に、『国語力を高めることば新辞典』や『自由自在 理科/社会』を開き、知っている言葉を見つけたら、ふせんにその言葉を書いて本に貼っていきます。
その際、知らないけどどういう意味かなっていうことで貼っても問題ないですし、この言葉はどうやって説明したらいいのかなと考えたりすることや、説明を見たりするとよいですよと深谷先生から補足がありました。
だいぶコツがつかめてきたようです。みなさん夢中になって、どんどん書いて貼っていきます。すごい集中力!
好きな野球に関係して使われそうな言葉を探していますと、元気に答えてくれました。なるほど、そういう進め方もいいですよね。
深谷先生から保護者の方には、辞書引き学習で国語の力がつく話を紹介。辞書引き学習に取り組んだグループ(小学3年生)のほうが、平均点が高い結果が出たケースや、言葉が豊富になるので本をたくさん読む傾向にもあるという事例が紹介されました。
わかっている言葉から十分に楽しむことができ、番号をつけることで、あと1枚で100枚だなというように目標ができます。学習に対する手応え、達成感、自己肯定感、自己調整力がついてきますとして、辞書引き学習の期待や効果について説明がありました。
さあ、みなさんどれくらいふせんを貼ることができたでしょう? 「30枚!」「50枚!」と、あちこちで聞こえてくる声に、この短い時間ですごいと深谷先生もビックリです。
あたりまえと思っていた言葉ほど、わかっていない言葉があります。ネットでは間違った言葉をたくさん目にすることがあり、きちんと立ち止まって、本来の言葉の使い方やその言葉がどういうふうに意味を広げてきたのかについて目を向けることは大切です。またそうすることで、国語の魅力、言葉の魅力、そして日本語の魅力について気づいてもらえるのではないでしょうかと、深谷先生からメッセージがありました。
最後に、当日の司会進行を務めてくれた永峰編集員より『国語力を高めることば新辞典』の特徴を紹介。 図やクイズを交えながら、ひとつの言葉にいろいろな意味があることや、新しい言葉をつなげて広げていくイメージを感じてもらいました。
深谷先生が監修するこの本では、「4年生まで」「5・6年生」「中学入試」と学年・目的別に整理されていて、ひとつの言葉の中に、複数の意味、似ている言葉や反対の言葉なども紹介されています。学年を問わず、自分で範囲やテーマを決めて、ふせんを貼りながら言葉を探して増やしていく流れがつくりやすくなっています。
セミナー終了後には、深谷先生のサイン会と記念撮影を実施。
辞書引き学習でたくさんふせんを貼った書籍と一緒に、みなさんいい表情をしていますよね。
ご参加くださいました皆さま、保護者の皆さま、深谷先生、楽しい時間をありがとうございました。