ごあいさつ
130周年に寄せて
教育現場や学びの第一線で活躍する有識者の方々からお祝いのメッセージをいただきました。
秋山仁先生
岡本健先生
小川大介先生
狩野晶子先生
川村康文先生
嶋田総太郎先生
正頭英和先生
辻義夫先生
西村則康先生
深谷圭助先生
松居辰則先生
和田豊先生
130周年 「なぜ?プロ」・「キャラ☆コン」プロジェクト
創業130周年の節目を迎えるにあたり、日頃のご愛顧に感謝し、
読者参加型のプロジェクト「なぜ?プロ」「キャラ☆コン」を実施しました。
「なぜ?プロ」では、読者の素朴な「科学のなぜ?」を集めて、それに答えるかたちで 『科学のなぜ?新事典』の続編を出版しよう! とプロジェクトがスタート。
また、“馬のマークの参考書“にちなんだ「コーポレートキャラクター」を通して、 何か読者と一緒に育てていくような物語が展開できないか…というアイデアのもと、 「キャラ☆コン」のデザイン企画も同時にスタートしました。
応募総数は、『なぜ?プロ』 400点、『キャラ☆コン』 300点に上り、
たくさんの方々からご応募いただきました。本当にありがとうございました。
なぜ?プロ
募集開始!
応募締切
最終選考
受賞発表
今後の展開
キャラ★コン
どんな時代も学ぶ人へ寄り添う。その想いは『自由自在』にも
増進堂・受験研究社は、明治23年(1890年)に初代 岡本増次郎が自身の名前を1字とって「岡本増進堂」として創業。2020年11月に創業130周年を迎えました。
当初は教養や趣味の本、次いで講談小説を出版。
当社の第一号出版物である『男の手紙文』は、 本を通じて、多くの人へ礼節や品性といった基礎教養を身につける機会を提供したいという想いが込められています。
その後、大正時代になり学習参考書の出版を開始。併用商号「受験研究社」が生まれます。
小学用の参考書・問題集の出版に力を注ぎ、『木山の長帳』『木山の模範読方』など、岡山師範学校木山淳一先生の著作が一世を風靡しました。
特に、現在のドリル型教材の原点ともなった『木山の長帳』は、当時珍しかった書き込みができる大判のプリント形式を採用。さらに書籍が高価であった時代に25銭(初版)と手に届きやすい価格に抑えることで、全国の書店を通じて幅広い層の子どもたちに親しまれることになります。
戦時中は、紙の消費量が多い学習参考書の出版を控えるように国から依頼され、理工書や文芸書を出版した時期もありましたが、 戦後まもなく学習関連の出版を再開。戦地から復員する人々の就職を支援するため当時は珍しかった『公務員試験準備書』や『就職試験問題集』などの出版も行い、多くの方に喜ばれました。
どのような時代にあっても、我々は変化する学習者のニーズをくみ取り、学ぶすべての方へ最良の学びを届けられるように、挑戦と創造を続けてきました。この精神は参考書『自由自在』の誕生へとつながっていきます。
そして『自由自在』へ・・・
『自由自在』は、“知りたいことが何でもわかる本”をつくり、子どもたちの学習をサポートしたいという想いから開発がスタート。参考書と問題集を一体にし、さらに学年をまたいで復習や先取りもできるように複数学年を一冊に纏めた日本初の教材として1953年に誕生しました。出版開始時は関係者からこんなに分厚くて値段も高い本は売れないと言われたそうですが、予想に反して多くの方にご支持頂き参考書の定番となることができました。
創刊70年、累計2600万部を突破するロングセラー書籍は、現在でも家庭学習や受験勉強のパートナーとして多くの子どもたちや学習塾などで利用されています。2020年には小学英語の発刊、さらにLINEとも連携する新サービスの開始など、進化を続けながら、親・子・孫と世代を超えて親しまれています。
読者の声
- ジャンル分けやカラーの写真・図版など、見やすく・わかりやすい本でした! 親も子どものころからお世話になっています。
- コラムや、大事なところには例題もあり分かりやすいです。
- 昔も今も、とてもわかりやすく書かれていると思います。家庭での自学用に使用しています。
- いろいろな計算の方法が掲載されていてためになります。
未来へ向けて。次の100年も学ぶすべての人と共に。
“学ぶすべての人へ最良の学びを届ける”時代と共に学ぶ内容やスタイルは変化しますが、我々は常にその時代の最良の学びとはどういうものかを自問自答しながら、挑戦と創造を続けてきました。それは、学びを通じて、わかった!合格した!という感動、そして明日への希望を抱いて頂きたいと思うからです。我々は、一冊の本、一行の解説、一つの問題が、学ぶ人の心に希望を生み、それが日本や世界のより良い未来につながると信じています。
当社では、教育出版事業をコアとしながら、様々な事業を行っています。
各事業に共通する想いは“学ぶすべての人へ最良の学びを届ける“こと。
デジタル事業では、当社が保有する膨大な学習コンテンツや教材制作ノウハウを活用し、様々な学校・塾・企業と連携して様々なデジタルコンテンツやサービスを提供しています。
海外事業では、世界的にも評価の高い日本の初等教育を現地社会人向けにe-learning化。インドネシア等の東南アジア各国で活動する日系企業の、人材の質の問題解決、生産性向上をサポートしています。
多様な学び事業では、発達に特性や課題のある子どもたちに向けて、新たな学習機会や学習コンテンツを提供していきます。
また、近年国内で増加している外国人の子どもたちにもやさしい日本語などを使った学習教材の提供を行っていきます。
様々な個性ある子どもたちにより良い学びを届け、希望溢れる未来を切り開いて頂ければと思っています。
NEXT LEARNING Labsでは、AIやVRなど最先端技術を教育の世界でどのように活用できるかを、様々な機関・学校・塾・企業と連携して研究しています。その幾つかをご紹介できればと思います。
主な取り組み
保護者向け教育情報サイト「manavi」
これからを生きる、子どもたちの可能性に満ちた長い学びの体験を見据えながら、保護者がどんな関わりをもって一緒に歩んでいくのか、そんな学びのナビゲートの一助になる情報を、有識者による発信も交えながら積極的に展開しています。
近畿大学との産学連携
近畿大学との産学連携でVR空間を用いた授業コンテンツやイベントの企画・制作を推進。 9月27日の近畿大学のWEBオープンキャンパス「CLOSE CAMPUS」では、VR空間を用いた特別コンテンツの配信を実現しました。
理研と進める英作文の段階的自動評価をデモ
当社と理化学研究所AIPセンター・東北大学が共同研究を進める和文英訳の段階的評価システム(AIによる自動採点)のデモ映像です。複数の指標で学習到達状況を見る「ルーブリック評価」に即時性をもって対応し、教育現場での運用を見通すための実証研究を進めています。
「CLIL ライブラリー」の第一弾が着々と進行
主に英語を通して教科科目や様々なテーマを学ぶ「CLIL(クリル)」。2021年の春を目指して制作を進める『Bible CLIL(仮称)』は、世界の文化や風習、言語を深く理解する一助として聖書を活用したCLIL教材です。今後「CLIL ライブラリー」では、様々なテーマを題材にしたコンテンツをリリースしていく予定です。
社員によるオンライン英語授業の実践研究
オンラインでの授業形式にも関心が集まるなか、現場目線の課題意識やアンテナ感度が働くようにと、社員自らSpatial Chatと呼ばれるオンライン上で対話や画像・動画共有ができるサービスを利用した活動型の授業にもトライしました。
360度画像による発見型教材をリコーと開発
RICOH THETAで撮影した360度画像を活用した発見型教材を開発し、子どもが自主的に学ぶ力の育成や動機づけをねらいにして実証授業を実施。アンケート結果では、発見型教材を使った教材の可能性を拓く有益な実証結果が得られました。
AIツールで音読トレーニングの教材を設計
大学入試改革に向けたスピーキング指導の効率化をねらい、四天王寺高等学校・中学校にて、AIツール「トレパ」に、増進堂の検定教科書『FLEX』をバンドルした新サービス「festa!」による実証授業を実施しました。
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客員研究員の知見を活かした新規開発
NEXT LEARNING Labsでは、客員研究員を迎え、教育現場に寄り添った新規の企画開発を推進していきます。現在、グローバルティーチャー賞2019ファイナリストの 正頭英和氏 や、小学校現場でSTEAM教育・プログラミング学習指導に携わる 中原悟氏 、高校生と社会を結ぶ教育活動に従事する 佐藤裕幸氏、 高等学校で英語指導・進路指導を担当してきた鮫島慶太氏が同研究員に就任しています。
次の100年も教育を通じてより良い社会の実現に貢献していきたいと思っております。
今後とも増進堂・受験研究社を宜しくお願い申し上げます。